ミスしやすい計算 詳しい解説 1

ミスをなくして点数UP

このページでは…

  • ミスしやすい計算を丁寧に解説します。
  • 成績アップのポイントを,具体例を使って解説します。

今回確認したいのはこの分数の足し算です。まずは解いてみてください。ミスなく正解にたどり着けるでしょうか。

\(\displaystyle\frac{ x+5 }{3}-\frac{ x+1 }{6}\)

正解は
\(\displaystyle\frac{ x+9 }{6}\) です。
\(\displaystyle\frac{ x+11 }{6}\) になってしまってはいませんか?

このような間違いをしてしまう原因をよく理解して,ミスなく解けるようになりましょう。

ミスの原因を知ろう

\(\displaystyle\frac{ x+11 }{6}\)
になってしまった人は,次の問題が解けるか確認してみましょう。

問題:次の式を,÷の記号を使って表しなさい。

\(\displaystyle\frac{ x+1 }{6}\)
この答えを \(x\)+\(\displaystyle\frac{ 1 }{6}\) としてしまった人もいるのではないでしょうか。
または「どのようにしたら良いかわからなかった」という状態かもしれません。

まずは次の point を確認してね!

point
  • 分数の分母や分子にある式は「ひとつのかたまり」
  • 「かたまり」であることは,かっこ( )を使って表す

このことから,

  • 分数の分母や分子を,何か計算するときは必ずかっこに入れる。

ということが必要です。

正しい解き方を確認しましょう。

\(\displaystyle\frac{ x+5 }{3}-\frac{ x+1 }{6}\)

\(=\displaystyle\frac{ 2(x+5) }{6}-\frac{ x+1 }{6}\)

  • 通分します。左の分数の分母と分子に2をかけました。分子はかっこに入れましょう。

\(=\displaystyle\frac{ 2(x+5)-(x+1) }{6}\)

  • 大きい1つの分数にします。右の分数の分子もかっこに入れましょう。

\(=\displaystyle\frac{ 2x+10-x-1 }{6}\)

  • 分子のかっこをはずしました。
    かっこの前に「-」があるときは,かっこの中の符号が逆になります。
    (-1がかけられているからと考えましょう)

\(=\displaystyle\frac{ x+9 }{6}\)

  • 分子を計算して終わりです。

他の式でも練習してみましょう。

\(\displaystyle\frac{ 2x-1 }{2}-\frac{ x+4 }{3}\)

\(=\displaystyle\frac{ 3(2x-1) }{6}-\frac{ 2(x+4) }{6}\)

  • 通分します。左の分数の分母と分子に3をかけました。
    右の分数の分母と分子に2をかけました。分子はかっこに入れましょう。

\(=\displaystyle\frac{ 3(2x-1)-2(x+4) }{6}\)

  • 大きい1つの分数にします。

\(=\displaystyle\frac{ 6x-3-2x-4 }{6}\)

  • 分子のかっこをはずしました。

\(=\displaystyle\frac{ 4x-7 }{6}\)

  • 分子を計算して終わりです。

成績アップのポイント

ここでもう1つお伝えしたいことがあります。

このような解説を見たときに

「なるほど。かっこをつけるのね。ちゃんと暗記しておこうっと」

と思った人,いませんか?
もちろん,解ける人は大事なことを覚えています。
でも「やり方だけを無意味に暗記」しようとすると,覚えきれずに終わってしまうことも多いのです。

上の説明だと
「分数の中の式はひとつのかたまり」であることと
「かたまりは,かっこを使って表す」という2つのことも理解しておいて欲しいのです。

「なぜそうなるか」という理由の部分を一緒に覚えるようにしましょう。
メリットはいくつもあります。

「なぜ?」を覚えておくメリット

計算ミスを発見できる

例えば,計算ミスをしていないかの確認が正確にできるようになります。
1ヶ所ずつ「なぜそのように進めたのか」を確認しながら進めてみしょう。
自動的にミスがみつかります。

覚えたことを忘れてしまっても大丈夫

たとえ覚えたことを忘れてしまっても対処できます。
「なぜ」の部分から始めて,考えを進めていけば良いのです。

覚えたことを忘れにくくなる、思い出しやすくなる

何かを覚えておくときに,それと関係のあるる他の情報も一緒覚えておくと,記憶に残りやすいです。

ほかとの繋がりによって、さらに記憶に残る

同じ知識が含まれている,他の問題もあります。そのような問題に取り組むときにもその知識を確認するようにしましょう。そうすることで,全体的に知識と記憶が強化されていきます。

例えば今回の「分数の中の式は1つのかたまりと考える」ということは次の問題にも関係しています。

問題:次の式を約分しなさい。

\(\displaystyle\frac{ 6x+9 }{3}\)
この問題の答えは\(2x+3\)です。
\(2x+9\) や \(6x+3\) のようになってしまいませんでしたか?

正しく考えて解くと,次のようになります。

\(\displaystyle\frac{ 6x+9 }{3}\)

  • ここではもう一つの知識として「約分とは,分母と分子を同じ数で割って簡単にしていくこと」だという知識も使いましょう。

\(=\displaystyle\frac{ (6x+9)÷3 }{3÷3}\)

  • 分母を3で割るときに,分子も3で割ります。
  • 分子の \(6x+9\) は「かたまり」なのでかっこでくくって,3で割ります。

\(=\displaystyle\frac{ 2x+3 }{1}\)

  • 分母の1は書きません。

\(=2x+3\)

  • これで正解になります。

分子にある \(6x+9\) をかっこでくくるという部分が,最初の例題と同じ知識を使っている部分です。

ある知識をいろいろな部分と関連付けていきましょう。忘れにくくなり,ミスも少なくなります。

-ミスしやすいポイントなど
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